cyciatrist 自転車と精神科医療とあとなんか

ボストン留学帰りの精神科医。自転車好き。

ボストンでの運転について

f:id:cyciatrist:20160105205501j:plain

ボストンでの車の運転について

ボストンで2年ほど車を所有して毎日通勤や日用品の買い出しなどで使用していました。そのときの印象です。

アメリカでの運転は簡単でした。左右側通行の違いなどありますが、基本的にアメリカの道は単純で広く運転自体に苦労はしません。特に西海岸南部やフロリダでは顕著で、広い道が4車線でまっすぐ続いているだけで運転に気を使うことなどありません。ボストンはそこまでではありませんでしたが、運転自体は楽に感じていました。今後日本で毎日運転して通勤するなど考えにくいですが、ボストンでは毎日運転して通勤していて、全くストレスではありませんでした。日本に比べると道も広く交通量もそれほど多くないので運転自体はそれほど怖くありませんでした。

 

ボストン(マサチューセッツ州)はアメリカ内でも運転の荒い地域と言われています。
他の州に比べて道が狭い傾向にあることや、道が碁盤になっておらず複雑であること等がその理由の一部であるようですが、地元の人に聞いてもなぜ運転が荒いかのはっきりした理由はよくわかりませんでした。ボストンの人は「冷たい」と言っている人もいましたが、他の人は違う意見もあるようで、「大阪の人はせっかちだから運転が荒い」というような人々の性格から推察されるような一貫した意見は得られませんでした。運転して思ったのは日本のほうが運転が荒い、というかドライバーがイライラしているということでした。

そのなかで、以下がボストンで運転していて僕が感じた日本との違いと感想です。

1、左右が逆:慣れます。すぐに。あと、他の車を参考にして走れば問題無いです。時々Uターンした時に周りに車がないと混乱することはあります。

2、信号が少ない:ボストンコモン周辺以外は明らかに日本に比べて信号が少ないです。横断歩道があっても信号はないことが多いです。このへんは歩行者優先が徹底されていて、渡りたそうな歩行者がいると積極的に車は停止します。なので、歩行者の多いCentral stのMassachusetts aveあたりだと車はほとんど徐行で走る感じになります。

3、高速に入りやすい:高速へのアクセスは本当にイージーになっています。町の中心部どこでもからすぐに入れるようになっていて、快適です。

4、高速はアメリカン:ボストンはアメリカの他の地域に比べるといろいろな作りが小さく、ヨーロッパ的といわれますが、高速は本当に真っ直ぐです。ボストン中心地からでも少し走るとすぐに片道4車線の真っ直ぐなだけの高速に入ります。すごく楽です。日本での1時間の高速運転とボストンでの1時間の高速運転では疲労度が全く違います。ほとんどアクセルを踏んでるだけです。

5、高速が安い:激安です。1ドルちょっとでかなり遠くまでいけます。また、帰りも同じ道路を使うだろうという前提で、片道しか徴収されなかったりする区間もあります。

6、道が荒いアスファルトの質が悪く、ぼこぼこ穴が開いています。ときどきガツン!とタイヤが落ちてびっくりします。

7、物が落ちている:時々びっくりするようなものが落ちています。交通規制用のバリケードが風に流されて道の真中に落ちていたりします。なかに水か砂かを詰めるのを忘れてしまったのだと思います。一度はハイウェイの車線の真ん中に2m四方程度のコンクリートブロックが落ちていた事がありした。トラックが落としたようでしたが、上り坂を登り切ったところにあって登ってくる下からはブラインドになっていたので、車を走らせていてギリギリまで気づかず本当にぶつかりそうで危険でした。

8、運転が楽:道は真っ直ぐで広いし、少し郊外に出ると歩いている人は全くいないので本当にぼんやりとして車を走らせるだけになります。日本だと毎日運転して通勤は辛いなと感じますが、ボストンでは全く辛く感じませんでした。

9、メンテが悪い車が多い:いろいろぼろぼろの車が多くて、後ろを走るのが怖くなります。ブレーキランプの片方が壊れていて片方しかつかない車がたくさんあります。こういう車の後ろを走ると、片方のブレーキランプが壊れていて光らずもう片方のランプしか光らないから方向指示器をつけたように勘違いしてしまい、びっくりすることがあります。

10、バイクは追い越しをしない:かなり渋滞していて車が止まってしまっていてもバイクは車の後ろできちんと待っています。横をすり抜けて追い越しをしていくことはありませんでした。これはかなり厳重に守られていました。

11、飲酒運転については甘い:運転免許取得時には飲酒運転についての罰則などを勉強しますし、地元の人に聞いてみても「キビシイ」と答えますが、飲んで事故らなければ良いというのが地元の人達の感覚のようです。実際飲酒検問は一切ありません。パーティー等があるとだいたい一人一台運転してきて、飲酒してそのままみんな自分で運転して帰宅します。怖いです。

12、スノータイヤを履かない:ボストンの冬は厳しくよく雪がふるのですが、一年中「オールシーズンタイヤ」です。何人かに聞いてみましたが一人も冬にタイヤを変えるという人はいませんでした。チェーンは法律で通常での使用は禁止されていて「危険で必要なときのみ」と定められています。

13、除雪はすごい勢いでする:大通りの除雪はかなり頻繁に行われます。また、融雪剤をまきまくるので、大通りはそうとうな大雪の翌日でも車の通行が可能です。クルマたちは徐行しながらですが普通に通っています。裏通りの除雪はほどほどです。スノータイヤではないので、スリップしまくりながらなんとか車を大通りに出して、通勤していくというかんじです。

14、「ラウンドアバウト」が多い:慣れると楽ですね、交差点より。ボストンでは方言で「rotary」と呼ばれると聞いたこともあります。(link) によると一般的にはrotaryは大きな半径のラウンドアバウトを言う様です。1車線のものは本当に楽で便利ですが、2車線になると、交差点内に入るのがすこし面倒になります。基本的に交差点内(円形の車線内)に入っている車が優先なので、延々と車列が続いて入れないことがあります。

15、路駐が多い:アメリカでは路駐は普通の権利なので、都心になると路駐だらけです。パーキングメーター式の路駐駐車場はほとんどすべての道路に備え付けてあるような感じで常に一杯です。アメリカ人の感覚では「路駐できるのが当たり前で、都心だからやむなくお金を払っている」という感じなので、とにかく路駐だらけです。

16、駐車場代が安い:だいたい都心でも25セントで15分程度は停められるので、1時間で1ドル程度ととても安いです。東京は1時間で2000円と話したら、同僚はとても驚いていました。

17、ez pass便利:アメリカ版ETC。E-ZPass MA Program - Highway Division - MassDOT 日本との違いは、アメリカでは機器自体をリースで行政から借りるという制度。機器は電池で動作する形式になっているので車の工事は必要ない。機器自体がクレジットカードや銀行口座と紐付けられているのでETCカードもいらない。強力なマジックテープみたいなのでフロントガラスの内側にくっつけておしまいでラクラクでした。陸運局行けば簡単にリースの手続きが出来ました。帰国時も郵送するのみでシンプルでした。

 

運転していての感想は、個々のドライバーが積極的にルールを守っている感じがあったのが印象的でした。あとは高速道路の楽しさですね。

海外旅行された時にレンタカーして運転してみるのも楽しいと思いますよ。