cyciatrist 自転車と精神科医療とあとなんか

ボストン留学帰りの精神科医。自転車好き。

プロジェクトと友情

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プロジェクトや遊びを共有しないと人間関係は産まれない。

 

自分がかつて短期間他の部署に配属されて勉強させてもらっていた経験から。


その時は、正直かなりストレスを感じていた。
自分としては医者になってからそれまで、職場の人間関係が円滑にいかないと悩むことはなかった。
僕は自分から親しさを演出するのは下手な方だと思うが、これまで大過なかった。それまで何度も新しい環境を経験して、適応出来て、もう、どこでもそれなりに仲良くやれる人間なんだと思っていた。

しかし、その科での研修中はほかのメンバーと非常に疎遠と感じて、疎外感が強くあった。

 

3ヶ月間、同じ部屋で勤務する。 朝から夕まで部屋内で全員仕事をする。昼食はみんなでとる。明らかな変な人はいない。

        でも、疎外感を延々と感じ続け、居心地が悪かった。

 

その理由を分析したら、

1. 科自体が仕事は1人でやる物が多く、仕事を頼んだり頼まれたりが無かった。

2. そのため、仕事中近くに居ても世間話以外のコミュニケーションを取らなかった。

3. たまたま部屋の引越しが予定されていて仕事量が少なかった。従って協力しないと仕事が終わらないという状況が産まれなかった。

   というような様な理由が挙げられた。

 

まとめると「共同してあたるプロジェクトがなかった」という理由にまとめられるように思う。

それまで割に疎外感を感じずやれていたのは、病棟仕事というバタバタとした困難に皆で共同してあたっていたから、仲間意識みたいなのが勝手に醸成されていたのだと気づかされた。

プロジェクトや困難を共有しないと簡単には友人や仲間にはなれない。

 

逆に言うと、同じ学校や部活の人達がその後も仲が良いのは当たり前ということになるとかもしれない。困難なプロジェクトに共同して取り組むことで徐々に連帯意識が自然と醸成されていく。外科のスタッフが仲が良いのも当然かもしれない。チームを作って共同して手術にあたっていくことが逆にチームワークを作っていくのだろう。

今後自分のチームにも意識的にみんなであたらなければならない課題を与えていかないといけないのかもしれない。